SESで働いていると、「いつかは上流工程に入りたい」と考えるタイミングがあります。ただ、自分自身も人に偉そうに言えるほど完璧にできているわけではありません。
それでも現場で少しずつ仕様の確認や課題の整理、実装者目線でのフィードバックを続けていく中で、上流工程に近い話し合いや設計の相談に入れてもらえる機会が増えてきた感覚があります。
この記事では、その経験から「SESで上流工程に近づくなら、まずこういう動き方が良いのではないか」と思っていることを整理します。正解というより、自分が現場で試して効果を感じた考え方として読んでもらえると嬉しいです。
この記事で伝えたいこと
- 上流工程は、最初から完璧にできる人だけの仕事ではない
- 仕様確認や課題整理を続けることで、少しずつ任される範囲が広がる
- 実装者目線は、上流工程に近づくうえで十分に武器になる
上流工程は「すごい人だけ」がやるものではない
上流工程というと、要件定義書や基本設計書をきれいに書ける人、顧客折衝が得意な人、プロジェクト全体を見られる人がやる仕事というイメージがあります。
もちろんその力は必要ですが、最初から全部できる必要はないと思っています。自分の場合も、いきなり要件定義を任されたわけではなく、日々の実装や確認作業の中で「この人なら仕様の話も一緒にできそう」と思ってもらうところから始まりました。
上流工程に近づく第一歩は、今の担当範囲の中で「曖昧なまま進みそうなこと」を見つけて、判断しやすい形に整理することだと思っています。
仕様の違和感をそのままにしない
実装していると、「この仕様だと例外ケースで困りそう」「この画面遷移は利用者に分かりづらそう」「エラー時の動きが決まっていないかもしれない」と感じることがあります。
以前の自分は、そういう違和感があっても「自分の担当外かもしれない」「聞くほどのことではないかもしれない」と流してしまうことがありました。ただ、そこを一つずつ確認するようにしてから、仕様や設計の話に少しずつ入れるようになった感覚があります。
確認するときに意識していること
- 何が決まっていないのかを具体的にする
- そのまま進めると、どんな影響がありそうかを添える
- 自分なりの仮説を出したうえで確認する
たとえば「この仕様どうしますか?」だけだと相手も判断しづらいですが、「未入力時のエラーメッセージが未定義に見えます。このままだと担当者ごとに実装が分かれそうなので、共通ルールに合わせる認識でよいでしょうか」と伝えると、判断してもらいやすくなります。
課題を見える場所に出す
上流工程に近い人ほど、課題を放置しない印象があります。大きな問題になる前に、小さな違和感や確認事項を見える場所に出しておくことが大事だと感じています。
自分のタスクだけを終わらせる意識だと、どうしても「実装できたかどうか」だけに目が向きます。ただ、少し視野を広げて、チーム全体で止まりそうなことや後で手戻りになりそうなことを拾えると、上流寄りの動きに近づいていきます。
課題として拾いたいもの
- 仕様が決まっていない箇所
- 確認待ちで止まりそうな作業
- 担当者や期限が曖昧な作業
- 実装後に手戻りになりそうな判断
こういったものをチケットやメモに残しておくと、周りの人も状況を把握しやすくなります。自分もまだ十分にできているとは言えませんが、意識するだけでも現場での見え方は変わると思っています。
実装者目線を武器にする
SESから上流工程を目指す場合、実装経験はかなり強みになると思っています。設計だけを見ていると気づきにくい、実装時のつまずきや運用時の問題を想像しやすいからです。
たとえば、入力チェック、エラー表示、権限、ログ、例外ケース、データ更新タイミングなどは、実装しているからこそ気づけるポイントです。
「自分はまだ上流経験がない」と考えるよりも、「実装時に困る点を先に見つけられる」と考えた方が、上流工程に近い会話へ参加しやすくなります。
少しずつ信頼を積み上げる
上流工程に入りたいと思っても、すぐに役割が変わるわけではありません。自分の経験上も、いきなり大きな役割を任されるというより、小さな確認や整理を続ける中で、少しずつ相談される範囲が広がっていく感覚でした。
だからこそ、今の現場でできることを丁寧にやるのが大事だと思っています。仕様の確認、課題の整理、実装者目線でのフィードバックは、どれも今の担当範囲から始めやすい行動です。
今日から試したいチェックリスト
- 仕様で曖昧な点を見つけたら、事実と影響に分けて確認する
- 実装時に迷いそうな点を、先にチームへ共有する
- 課題を見つけたら、担当者と期限が分かる形にする
- 実装者目線で、利用者や運用時に困りそうな点を考える
まとめ
SESで上流工程に入るために、最初から完璧な立ち回りをする必要はないと思っています。自分もまだできていないことは多いですが、仕様確認、課題整理、実装者目線のフィードバックを続けることで、少しずつ上流工程に近い経験をさせてもらえるようになりました。
上流工程は、役職や担当範囲だけで決まるものではありません。今の現場で「判断しやすい形に整理する」「曖昧なまま進めない」「実装者として気づいたことを伝える」ことを積み重ねることで、少しずつ任される範囲が広がっていくのだと思います。